V型エンジン †
- V型エンジン(ブイがたエンジン)は、レシプロエンジンの形式の一つで、シリンダーを左右交互にV字型に配置したエンジン。
- レシプロエンジン
- (英語:reciprocating engine)は、往復動機関あるいはピストンエンジン・ピストン機関とも呼ばれる熱機関の一形式である。
- 燃料の燃焼による熱エネルギーを作動流体の圧力(膨張力)としてまず往復運動に変換し、ついで回転運動の力学的エネルギーとして取り出す原動機である。燃焼エネルギーをそのまま回転運動として取り出すタービンエンジンやロータリーエンジンと対置される概念でもある。
利点 †
- 気筒数が多くなるほど、直列型に比べシリンダーブロック、クランクシャフトを短くすることができるため、剛性面で有利。
- 気筒数が多い場合にスペース効率に優れ、自動車用では縦置き・横置きを兼用することができる。(とくにOHVでは)排気量の割りにコンパクトなエンジンとすることができる。
- 気筒数が少ない場合でも一次振動が理論上はキャンセルされ、静粛で低振動にできる。
- V型では90°のバンク角を持つV型が機械的には最もバランスがよく、慣性質量の50%に当たるバランスウエイトをクランクウエブに設けることで、完全に1次振動をキャンセルできます。
- 60°や120°や180°等の変則的なものでは一次振動をキャンセルすると言うメリットはありませんが、エンジン全長を抑えて設計する場合には他の方式より有利になります。
- 挟み角と気筒数で異なるが、例えば90度バンクの4気筒の場合などでは、ひとつのピストンが上死点、または下死点にあり、ピストンスピードが0のときでも、対になっているピストンは、一番速度の速い中間点にあるため、低回転でも滑らかにまわり、止まりにくい(直列4気筒・180度クランクでは全てのピストンが止まる瞬間がある)。
欠点 †
- 直列エンジンと比べ、構造が複雑で重量も上回る。
- 給排気系のレイアウトが制限される場合がある。
- 各バンクごとに排気管をまとめると排気干渉を起こすことがある
- 気筒数、挟み角によっては不等間隔爆発となることから、特に低速域でトルク変動が起こる(現在では位相クランクピンで等間隔化が可能。二輪車では不等間隔爆発の特性を利用して、加速時のトラクションを実質的に確保したり、心地よい振動を得ることで利点とする場合もある。)。
狭角V型エンジン †
- 狭角V型エンジン(きょうかくブイがたエンジン)とは、著しく小さな(10度から15度程度)バンク角を持つV型エンジンのことである。
- この形式のエンジンはクランクシャフトの一つのピンに二本のコンロッドが付いている、狭義の意味でのV型において、通常使われるバンク角(例えばV型2気筒なら90°)よりも小さいバンク角を持つエンジンも狭角V型エンジンと呼ばれることもあるが、現在では、直列エンジンのシリンダー・ボア中心間隔をできる限り詰めるため、交互に千鳥配置としたものを指すようになっている。
コメント(編集できない人用) †